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【2023年7月最新版】
白ナンバー車所有事業所のアルコール検知器使用義務化
【徹底解説】

2023.7.13

 

 

2022年4月1日の道路交通法の改正により安全運転管理者が行うアルコールチェック業務が白ナンバー車を所有する事業者でも義務化されました。これまでタクシーやトラック等の、運輸業者では義務化されていましたが、今後は、白ナンバー車両も運転前後のアルコールチェックを実施しなければなりません。

また本来であれば2022年10月1日から『アルコール検知器の使用が義務化、またアルコール検知器を常時有効に保持すること』とされていましたが、こちらは検知器の供給状況を鑑みて『当面の間延期』になっています。

しかし6月8日の警察庁交通局から『2023年12月1日』の施行を予定していると発表されました。

今回は2023年12月1日予定の検知器使用義務化の施行に合わせて、アルコールチェック義務化の細かい内容を徹底解説していきます。

今回この文章を読んでいただくことで、以下のことを理解できるようになります。

  1. アルコールチェック義務化の対象拡大の背景
  2. おおまかな法改正の内容
  3. アルコールチェックの流れ
  4. アルコールチェックで記録すること
  5. 会社の実務対応―対応チェックリスト―

 

 

アルコールチェック義務化の対象拡大の背景

アルコールチェック義務化はもともと緑ナンバー(運送業などの事業者車両)のみでしたが、これが白ナンバーまで対象が拡大されたきっかけになった事件があります。

2021年6月、千葉県八街市で飲酒運転のトラックにはねられた下校中の小学生5名が死傷した事故がありました。

こちらの事件では、事故を起こしたトラックが緑ナンバーではなく白ナンバーであり、事件当時は運転前のアルコールチェックが義務付けられていませんでした。

 

 

 

おおまかな法改正の内容

①アルコールチェック義務の対象事業所

アルコールチェック義務化の対象となるのは、乗車定員が11人以上の自動車1台以上または、その他の自動車(社用車・営業車)5台以上を所有する事業所になります。また自動二輪車(原付を除く)に関しては1台を0.5台とカウントします。このカウントは会社単位ではなく事業所単位であることに注意が必要です。

例えばA事業所が10台、B事業所が5台車を保有している場合は、A,Bそれぞれの事業所で安全運転管理者を選任する必要があります。

②安全運転管理者

安全運転管理者とは①のアルコールチェック対象事業所において選任することが道路交通法により義務付けられています。20歳以上、運転管理経験がある従業員から選任します。

2023年12月1日予定の検知器使用義務化の施行により安全運転管理者の業務は以下のようになります。

赤文字が追加された事項  

  ⅰ)運転者の状況把握
  ⅱ)運行計画の作成
  ⅲ)交代運転者の配置
  ⅳ)異常気象自党の安全確保措置
  ⅴ)点呼等による日常点検
  
ⅵ)酒気帯びの有無を確認すること(2022年4月1日改正)
     アルコール検知器を用いてアルコールチェックを行い

     アルコール検知器を常時有効に保持すること。(2022年10月1日改正※)
  
ⅶ)酒気帯びの有無について記録し1年間保存すること。 (2022年4月1日改正)
  ⅷ)運転日誌の備え付けと記録
  ⅸ )運転者に対する安全運転指導


※2022年10月1日改正分は現状施行されておらず、2023年12月1日の施行が予定されている。

 

 

 

 

アルコールチェックの流れ

ここからはアルコールチェックを実際に行う際にどのようなことに気を付けるべきなのかを確認します。

①誰が、だれに対して行うのか

原則は『安全運転管理者』が『業務のために運転する者』へチェックを実施します。この時、マイカー通勤者へのチェックは義務付けられていません。例外として副安全運転管理者(車を20台以上保有する事業所は選任義務有)や業務を補助する者がチェックを行うことができます。

②いつ行うのか

業務として運転をする前と後にそれぞれ行います。このタイミングは『出勤・退勤時』はもちろん、『運転が伴う業務の前後』に行うことも可能です。

実際に川嶋印刷本社では、運転前のチェックは『出勤時』、運転後のチェックは『営業から戻り次第すぐ』に行っています。

③どのように行うのか

2022年4月1日改正では『目視』で行うことになっていましたが2023年12月1日に施行が予定されているものでは、アルコール検知器を常時有効に保持し、チェックを行うことになっています。

この際、検知器の使用回数、使用期限、電池等の状況を把握し、チェックができないなんて事態にならないようにしておきましょう。

また原則対面で行うことが義務付けられていますが、直行直帰での業務の場合は電話での直接対話による結果報告や、カメラ・モニター等による測定結果報告でも可能です。この際は、携帯型アルコール検知器等が必要になりますので、出張・直行直帰用にアルコール検知器を用意しておきましょう。

 

 

 

アルコールチェックで記録すること

アルコールチェックは前述の通り、1年間の記録保持が義務付けられています。本節では、どのような内容を記録しておけばよいのかについて解説します。

  ⅰ)確認者氏名
  ⅱ)運転者氏名
  ⅲ)運転者の業務にかかる自動車登録番号または識別できる記号、番号等
  ⅳ)確認の日時
  ⅴ)確認方法
    ・アルコール検知器の使用有無を記載(2023年12月1日から使用義務)
    ・対面でない場合は具体的な確認方法を記載
  ⅵ)酒気帯びの有無
  ⅶ)指示事項
  ⅷ)その他必要な事項

この内容が含まれていれば、フォーマットや保存方法に特に指定はありません。こちらの書類は警察への提出義務はありませんが、従業員が事故を起こした場合は、警察への提出が求められる可能性も十分考えられますので、しっかりチェック並びに保管をしていきましょう。

 

 

 

 

 

 

会社の実務対応~対応チェックリスト~

最後にこのアルコールチェックに対応していくために、会社・事業所として何をするべきかチェックリスト形式で紹介します。

  ⅰ)対象となる事業所であるかどうか確認
    ※複数の事業所を持つ場合はそれぞれの事業所で基準を満たしているか確認
    →11人以上の自動車1台以上 or その他の自動車を5台以上所有する事業所
  ⅱ)対象となる事業所で安全運転管理者の選任ができているかどうか
  ⅲ)アルコールチェックを社内規定等でルール化しておく(いつ・誰が・どのように)
  ⅳ)記録用のフォーマットを作成し、記録・保管の運用方法を決める(責任者・担当者の選任)
  ⅴ)アルコール検知器を手配し、使用期限・点検時期・交換時期を確認。
    出張や直行直帰がある事業所においては、持ち出し用のアルコール検知器も準備する。
  ⅵ)就業規則にアルコールチェックに関する規定を整備する。

以上が、白ナンバー車両事業者のアルコールチェック義務化ならびに、アルコール検知器の使用義務化の解説になります。すでに実施している事業所も多いかと思いますし、これからアルコール検知器を導入していく事業所もあるかと思います。

この記事を参考にしていただいて、スムーズに実務に落とし込めることができれば幸いです。

また細かい法令や申請に関しては、各自治体や警察庁のホームページを参考にしてください。

かわしま通信では今後も「聞いたことあるけどよくわからない」制度や法律について触れていきたいと思います。

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