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【地元の「おみや」〜大浪 亀の子せんべい〜】
秘伝の黒ゴマペーストとこだわりの生地が織りなす
「ねっかり ほのあま」

2025.5.14

川嶋印刷の地元で昔から地域の皆さんに愛され、お土産品としても人気がある一関の銘菓「大浪 亀の子せんべい」

いざ食べようと袋を開けた瞬間に目に飛び込んでくる、あの真っ黒で独特な形にちょっとびっくりされる方もいるのでないでしょうか。

果たしてこの「形と味」はいかにして生まれたのか?また、120年以上も愛され続けているのにはどんな秘密が?

そんな疑問を解決すべく、創業120年以上の歴史を誇る「株式会社亀の子せんべい本舗 大浪」様にお邪魔して代表の大浪友子さんにお話を伺いました。

甘く風味高い練りゴマのベールに包まれたその魅力に迫ります!。

  1. 大浪 亀の子せんべいの歴史
  2. 美味しさの秘密に迫る
  3. 大浪 亀の子せんべいの来し方行く末
  4. まとめ

大浪 亀の子せんべいの歴史

不幸にも若くして足に怪我を負ってしまった、岩手県の南部、一関市の隣にある奥州市江刺出身の初代・大浪トヨノさん。

「足の悪い女性など…」という当時の理不尽さに苦しめられながらも、なんとかその時代を生き抜くために手に職をつけて自立しようと、座りながら仕事ができる「せんべい職人」を目指し、弘前の南部せんべい店で修行を積んだそうです。

その後、明治36年(1903)に創業。当時「交通の便が良かった」という理由から、一ノ関駅前に一人でお店を立ち上げました。

今でもロゴマークとして使用されている「亀の子世ん遍い」の文字は、当時せんべいを入れる袋にトヨノさんが1枚1枚手書きしていた筆文字なんだそう。

また名前の由来にも秘密があるようで、創業当初は10種類ほどあったラインナップの中で「にこにこせんべい」の名前で販売していた商品が、お客様から「亀に似ているね」と言われたことがきっかけでいつの頃からか「亀の子せんべい」と言う名前に変わったそうです。

そして気になる「形と味」は、創業者であるトヨノさんが考案。まず、せんべいに甘い黒ゴマを塗ることを思いつき、練りゴマがまんべんなく絡まるよう、鉄型で焼いたせんべいを温かいうちに(いや、熱いでしょ!)手の甲に乗せて丸みをつけたことから今の形になったそうです。

以来(過去には限定的に生まれた商品もありましたが)、社名となった「亀の子せんべい」ただ一品のみを、現在も丹精込めて作り続けています。

出典:大浪 亀の子せんべいHP
出典:大浪 亀の子せんべいHP
亀の子せんべいの表裏
亀の子世ん遍い

 

 

美味しさの秘密に迫る

そんなドラマチックな誕生秘話を持つ「大浪 亀の子せんべい」は、一関市内の工場直営店1箇所のみで、少数精鋭のスタッフによって日々作られています。

製造工程は、まず黒ゴマを塗る前の白生地を機械で焼いていきます。1枚に4個分の型が付いた鉄板に生地を流し込み、上から蓋をします。円状にセットされた何枚かの鉄板が1周(約3分)して焼き上がります。

1日の作業で焼き上がる量は約4000枚前後なんだそう。ちなみにこの白生地は、一ノ関駅前の本店に設置された自動販売機で購入可能!黒ゴマなしでも生地本来の旨みがしっかり味わえます。

型に生地を流し込み焼き上げる
焼きあがったせんべい

生地を焼く隣では、亀の子せんべいには欠かせない『黒ゴマペースト』が作られていました。1日で約寸胴5つ分程の量が作られるという黒ゴマペーストは、創業当時から守られてきたレシピで継ぎ足されてきた「秘伝の練りゴマ」。生地や黒ゴマペースト作りではその品質を一定に保つため、室温や機械の設定を日々調整しているそうです。

焼き上がった生地と黒ゴマペーストはその後別の機械に移され、塗り&乾燥の作業が行われます。
盤面いっぱいに並べられた生地の上から黒光りした艶々の練りゴマが滑らかに流れ落ち、綺麗に黒化粧されていきます。

秘伝の黒ごまペーストをまとって乾燥させる
きれいに黒く色づいたせんべいたち

1度セットした 黒ゴマペーストで作られる数は1100枚程度が限度。それ以上はゴマが固くなってうまく塗れないそうで、しかも毎日2〜3時間をかけて機械を洗浄する必要があるのと、ほぼ全員で商品の箱詰め作業を行うため、機械の稼働時間は午前中の半日程度になるので、この作業で作られる量は1日およそ5500枚くらいなんだそうです。

しかもこの機械は毎日の掃除以外にも週に1度「掃除の日」があるとのこと。そのおかげで日々綺麗な状態でスムーズに稼働できているそうです。

そしてこの機械もまた、その日の温湿度で設定スピードなどを細かく調整しているそうで、従業員の皆さんはすべての作業においてほぼ職人の域に達しているとのこと。

作業されていた従業員の方によると、普通では味わうことができない「焼きたて」が食べられることが「最高の特権」なんだそう。毎日の品質確認は必須とはいえ、なんとも羨ましい!

 

 

大浪 亀の子せんべいの来し方行く末

過去「全国菓子大博覧会」において「名誉大賞」や「総裁賞」を受賞するなど、輝かしい経歴を持つ「大浪 亀の子せんべい」ですが、現在四代目となる大浪友子代表は「決して順風満帆ではなかったです。むしろ苦労の連続でした」と振り返ります。

中でも一番辛かったのは数年前のコロナ禍の時。「もう無理だ。やめよう」と本気で考えたそう。
それでもその苦境をなんとか乗り越えられたのは、大浪代表が「今までで一番、この仕事をやっててよかったと思えた瞬間」があったから。

それは3.11東日本大震災の後、賞味期限が過ぎるであろう商品を回収するため向かったお店の従業員から「お客様がまた早く食べたいと、製造再開と入荷を心待ちにしているそうです」と伝えられ、
「こんな時でもうちのおせんべいを必要としてくれているんだ」と胸が熱くなったそうです。

でも何より大事なのは、長い間ほぼ同じメンバーで一緒に働いてきた従業員の存在。「もしかすると家族よりも長い時間を一緒に過ごしてきたかも。もはや家族以上の関係ですね」と笑います。

今後については「創業から120年以上も続けてこられたのは、ひとえに地元の皆様に愛されてきたおかげ。そんな地元の皆様に恩返しするためにも、これからも素朴で安全な味をできるだけ多くの方にお届けしていきたい」と大浪代表。

さらに「経営者としての立場もあるので、働いてもらっている従業員の生活を第一に考え、守っていかなければと常に考えています。安定した生活無くして安心して働くことはできないと思っていますので」と力強く話される姿が印象的でした。

 

まとめ

今回取材させていただいた「株式会社亀の子せんべい本舗 大浪」様は、決して大きな会社ありませんが、地域に根差し、地道にコツコツと正直な仕事を辛抱強く続けてこられた結果「いま」があるのだと、大浪代表のお話や従業員の皆さんの仕事ぶりを拝見して、強く感じました。

機械だけに任せられない仕事を、職人の技を合わせながらひたすら丁寧にーーー。
同じ製造業である私たち川嶋印刷も初心を忘れず、真摯に仕事に取り組んで行かなければと、改めて考えさせられました。

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