
私たちの身の回りには、あまりにも当たり前すぎて、改めて理由を考えることのない習慣や決まりごとが数多く存在します。日常に溶け込みすぎているからこそ、「なぜそうなっているのか」を問う機会は意外と少ないものです。
しかし、そうした当たり前の背景には、長い歴史や文化、人々の価値観の積み重ねがあります。少し立ち止まって見つめ直すことで、普段とは違った景色が見えてくることもあるでしょう。
今回取り上げるのは、日本人にとって極めて身近な色の組み合わせ――「赤」と「白」。なぜ私たちは、物事をこの二色で分けてきたのか。その理由をたどっていくと、日本文化の奥深さが静かに浮かび上がってきます。
当たり前すぎて不思議に思わない「赤白」

年が明けて、あっという間に半月が過ぎました。年末の風物詩といえば、やはり紅白歌合戦。勝敗こそ決まるものの、近年は「対決」というよりも、出演者全体で番組を作り上げる一体感が印象的です。
ところで、この「紅白」という分け方。あまりにも身近な存在ですが、「なぜ赤と白なのか」と立ち止まって考えたことはあるでしょうか。紅白歌合戦に限らず、学校の運動会や地域行事でも、赤組・白組という構図は定番です。
しかし、この色分けは世界共通ではありません。海外では赤と青でチームを分ける例が多く、中国では方角を基準にした対抗戦も見られます。色を使った区分け自体は各国に存在しますが、日本のように「赤白」がこれほど定着している例は珍しいといえるでしょう。
近年では、児童数の減少により赤・白・青の三つ巴にする学校も増え、必ずしも二分する必要はなくなってきました。それでもなお、「赤白」という組み合わせが日本人の記憶に強く残っているのはなぜなのでしょうか。
赤と白が「対」になった歴史的背景

赤白の起源としてよく語られるのが、平安時代末期の源平合戦です。戦場で敵味方を識別するため、源氏は白を基調とした旗、平氏は赤を基調とした旗を用いていたと伝えられています。この対比が、赤と白を「相対する二者の象徴」として印象づけたと考えられています。
一方で、赤白にはもうひとつの側面があります。それが「祝いの色」という意味合いです。日本では古くから、祝いの席で赤飯を炊き、白い餅を供える習慣がありました。この二色は、特別な日を彩る組み合わせとして生活の中に根付いていったのです。
さらに、赤は生命の始まり、白は終わりを連想させる色ともいわれ、「一生」を象徴する配色だとする説もあります。戦いと祝い、始まりと終わり――赤白は、相反する意味を同時に内包する不思議な組み合わせなのかもしれません。
現代に残る赤白と、その変化
現在でも、赤白は日本文化の随所に見られます。紅白幕や紅白餅はもちろん、企業ロゴやデザインにも多く使われています。日本の国旗が赤と白で構成されていることも、象徴的な例でしょう。
その一方で、社会や価値観の変化とともに、「赤白で分ける」こと自体の意味合いは少しずつ変わり始めています。勝ち負けを強調するより、協力や多様性を重視する場面も増えてきました。
それでも、赤白という色の組み合わせが日本人にとって特別なものであることは変わりません。長い歴史の中で育まれてきた文化が、形を変えながら今も受け継がれている――赤白は、その象徴といえる存在なのではないでしょうか。
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